久々の秀逸なドキュメンタリーに涙した!という話。

今週のお題「大発見」

と言えば・・・裏庭でフキノトウを見つけましたよ!

それからねえ奥さん!

久しぶりに心が洗われる様な、やるせなくもあれこれ考えさせられる・・・上手く表現出来んが素晴らしいドキュメンタリー番組も見つけましたよ!

 

三月に入った途端の花粉の猛攻に即時白旗降参の男(私の事ですな)は、

休日も自宅に籠って弱々しく撮り溜めビデオを眺めておりましたが・・・

ヒマラヤに見た夢  ~天空の秘薬を求めて~  BS101

は秀逸でした。

ネパールの貧しい村の少年が、父親と共に秘薬を求めてヒマラヤの奥地に向かう旅を追ったドキュメンタリーですが・・・

ところで奥さん、冬虫夏草って知ってます?

古来より秦の始皇帝楊貴妃なども愛用したという滋養強壮不老長寿秘薬として知られる蝙蝠蛾の幼虫に寄生する茸で・・・

ここ最近は中国の富裕層の間で需要が高まっていて、品薄から価格が急騰しているようですな。

高級品は1Kg1000万円以上で取引されるってホンマかいな?

 

主人公はネパールの山岳地帯の貧しい村で暮らす16歳のラシュマン・バスネット君。

この村の子供達は海外志向が強いようで、根底には貧困という厳しい現実があるんですな。

この少年も将来は国の制度を利用し韓国で働く事を夢見ています。

家族のために毎年出稼ぎに出る父親の助けになりたいという思いと、語学勉強の学費を稼ぎたいとの理由から、父親の冬虫夏草探しの出稼ぎに同行を志願します。

目指すヒマラヤの奥地ペリカプアは標高5000mの高山地帯で、不安そうに見送る家族を残し希望を胸に現地に向かいますが・・・

乗り合いジープと徒歩で6日程の行程は、少年の体力も精神も削って行きます。

漸く辿り着いても・・・

天候不順その他以前ほど採れない状況に直面し、

高山病や原因不明の高熱にも苦しめられ、自身の無力さを思い知らされ、周囲の足手纏いにしかならない歯がゆさも滲ませながら・・・

それでも必死に探し続けて、漸く何日目かに最初の冬虫夏草を発見した時は、感情移入もあって、あたしゃもう泣きながら何度も拍手しておりましたよ。

そんな貴重な宝物を掌に乗せ、いつまでも見つめているシーンもしんみりと感動的でしたな。

日頃から歌う事が好きで、自身の境遇や感じた事などを詩や曲にするクリエイティブな一面も見せるラシュマン君。

家族への思いや自身の立場、将来のビジョン・・・何気ない会話にも芯の通った信念が根底に感じられ、貧困の苦しみが富裕層との対比の形で描写される中で、

泣くな、泣くな・・・自身を諭す様に呟く表情もいじらしくも印象的でした。

 

何日も斜面を這いつくばって泥まみれになって漸く手にした僅かな収穫でしたが・・・

麓の村でブローカーに買い叩かれ、一攫千金とは程遠い現実に16歳の少年は何を感じたのか?

それでも山を下り故郷に帰る時の少年の目は相変わらずキラキラしていて、悲壮感を微塵も感じさせない屈託ない笑顔に見ている方(私の事ですな)が救われるという、精神的な強さ逞しさも併せ持った少年でしたよ。

現代の日本人が失ってしまった何か?を思い起こさせてくれるような・・・

ヒマラヤの秘境の厳しくも美しい雄大なロケーションも素晴らしいし、あれこれ考えさせられる事の多い大発見!のドキュメンタリーでした。 

特に日本中の同世代の若者にぜひ見て貰いたいと切に思いましたな。

何なら学校の授業でも取り上げてくれたら・・・

皆さんも是非!

エピローグでは自身の境遇や村を遠く離れお金を稼ぐ父を想い綴った詩が、印象的な場面を振り返る映像と共に紹介されていました。

 

私たちは貧乏人です

お金持ちの人たちと同じように たくさん夢見ちゃだめ

貧乏人の私たちは 苦労して食べていく

しかし 金持ちは 苦労せずに儲けている

自ら働いて生きよう 他の人を差別することなく

自ら働いて生きよう 他の人を差別することなく

 

誰も頼る人がいない ここは

どこに行って 何をして 稼いでいるの?

電話をしたとき 泣くなと言ってくれた

たくさんお金を稼いで 幸せにする 君を

 

思わず、何度も繰り返し聞いておりましたよ。

遣る瀬無くもしんみりと、心に沁みる詩ですな。

 

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     オデもいつか・・・ 黍団子貰って鬼退治に!