いきなりですが、私(しりあご父の事ですね)これまで基本的にファストフードとは縁の無い人生を送って来ました。実をいうとファストフード店恐怖症だったのです。あっ、いや今もそうですが。
ですから個人的に先方とはなるべく距離を置いてきたのですが、これが最近そうも言ってられない状況がちょくちょく有ったりする訳です。
写真① 提供 しりあご(息子)。
・・・もう30年以上も前、初めて入ったのは田舎の駅前のロッテリアだったかな?。
テイクアウトだったと思いますが、如何にも慣れた風な友人達のやり取りの様を見つつ、少し緊張しながら自分の注文の順番を待っておりました。
何しろこっちは初めてですけんね。
ポテトとシェイクと言えば良いんだな等と頭の中で予行練習したりして。
何となく冷静を装って店内を眺めて見たり、ちょっと口の中が乾いて来たり・・・。
で、いざ順番が回ってくると、早口で甲高い声のアンドロイド娘店員(分かりますね)のペースにすっかり舞い上がって、こちらも
「バ、ババッ・・・バニラシェイク」 って変に甲高い声になってしまいましたがな。
これがいけなかった。
大体、そういう時の「バニラシェイク」って言い難いんですよね。
最初の“バ”に妙に力が入って、後はもうしどろもどろ。
なおもアンドロイド店員は攻撃の手を緩めず、
「今なら◯◯キャンペーン中で、△△とセットでお得になりますが・・・、プラス200円で高枝切りバサミに布団圧縮袋も2セットお付けしま・・・ぶら下がり健・・・」
ほとんど何言ってんだか思考回路も追い付かないまま、
「あっ、いやババッバニラシェーク」
「ポテトはよろしかったでしょうか?」
はっ、そうだった・・・このアンドロイド娘、俺の心が読めるのか? しかし時既に遅し。
「ババニラシエイク」
それが精いっぱいでした。
すると、それまで無表情を貫いてきたアンドロイド店員が、クスッと笑ったんですよ。
あいつ、今まで “やや微笑の基本無表情鉄仮面フェイス” でたたみかけて来た癖に・・・。
で、更に逆上し何かこう顔が熱くなってきて、一気に汗が噴き出してくる様な。
待っている時間も長ーく感じたんでしょうな。
内股走りで逃げだしたい気持ちだったんでしょうな。
何かまただんだんと思い出してきたな。
ねえ、恐ろしかでしょう。
大体ですねよく考えると、いい男が口とんがらせて「バニラ・・・」などと言っている所からして恥ずかしいですな。今考えても身震いがする。
そんなこんなで妙にヘトヘトになりながらもようやくの実食。
・・・これが欧米人が食するというシェイクと言うものか。ストローでかいな。
で、一口吸って・・・ あれっ?このストロー詰まってないか?
胸郭の丁度胃の上の辺りがペコンと凹むくらい吸ってもびくともしない。
ちょっと焦りながらも、もうちょっと気合を入れて、眼球も飛び出すくらいに強く吸ってようやく舌先にちろっとアイスが触れた時の安堵感。
何と言うのか、これはもうちょっとしたスポーツですな。
女子供の太刀打ち出来る代物ではないなと思いましたね。血圧の高い爺さんなんかには自殺もんだなとも思いましたね。そこら辺の所は厚生省はどう考えておるのか?
頭の中で色んな?マークが浮かんだものです。
先日も、家族で出かけた時に、成り行きでモスバーガーのドライブスルーへ。
たまにそんな機会が有るわけですね。特に最近は外食も何かと制限の時期ですけんね。
上記の話は家族にも何度か話して良く分かっているので、いらないと言ってるのに、「じゃあお父さんはバニラシェイクね!」と勝手に注文してくれます。
ええ、いつもそうです。 親切のつもりなのか?嫌がらせなのか?
「これが西洋人が食するシェイクと言うものか。ストローでかっ!」
・・・・・・
「あれっ? おい、これストロー詰まってないか?」
・・・・・・
もう今では誰も突っ込んでくれません。
ねえ、恐ろしかでしょう。
写真② おっさん、そのネタもう飽きてん。