春を探しに

TVで何度も三密、三密・・・と聞く度に、不謹慎とは思いつつも、どうしても頭の中が“壇蜜”と変換してしまうこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

f:id:shiriagosan:20200411205514j:plain

                                                                          (写真①)春が来ました。

自宅で何となく悶々としながらも、仕様がないので先週土曜日の快晴の午後の気晴らしとトレーニングも兼ねた低山ハイクの様子を打ち込んでいます。

 

駐車場になっている麓の公園は、この地域では桜の名所として知られていることもあり、想像以上の車と人で、ウイルス? ナンノコトデスカ? といった人達でごった返していました。

f:id:shiriagosan:20200411211036j:plain

                                                                                     (写真②)桜満開の駐車場付近。

 「ケッ、こいつら他に行く所ねえのかよ?」と長渕気取りで呟きつつ、「お前もな!」と自らに突っ込みを入れニヤニヤしながら・・・、人込みに接近しない様にそそくさと登山道に逃げ込みました。何しろ三密ですからね。

 

公園内のアナウンスで、やれ芝生広場に入るな!だとか、やれ宴会禁止です!とか、婆さんがいなくなった!とか、爺さんは寝転ぶな!などと時おりカナキリ声で聞こえていたのが、程なくうその様な静寂に包まれ、先週は気にならなかった極小の羽虫がちらほら、時には集団で出迎えてくれました。

 

この時期は桜も良いのですが、それ以上に草木の新芽や多くの蝶類が見られるのを毎年楽しみにしています。九州の田舎で育った私は、子供の頃は昆虫採集に夢中で、とりわけ蝶の美しさに魅せられていたのですが、春の山は何かその頃のことを思い出させてくれるような空気感というのか?、一気にあの頃へとタイムスリップする様な不思議な感覚に襲われることがあります。余談ですが、松田聖子の“赤いスイートピー”の曲を聞いた時も、何故か?同じような感覚が蘇ってきます(笑)。

 

この山も最近何度か歩いていて、春には多くの蝶が飛び交っている情景を何となくイメージしていました。 まあ、わしらぐらいになると蝶マニアしか分からない(と思われる)蝶道の雰囲気や、植物の分布状況で何となく分かるんですわ!

 

最初に見つけたのはベニシジミで、登山靴に纏わりつくように飛んできたので、思わず踏みつけそうになってしまいました。「そうそう、確か・・・デジカメも持って来てたよな!」と急いでザックの中を探っているうちにどっかへ行ってしまいましたが、程なく今度はモンキチョウかな?と思われる個体を発見。

 

カメラ(コンデジ)持って追いかけるのですが、あいつら何処までも等間隔で逃げていくんですわ。ハアハア・・・。

f:id:shiriagosan:20200411205807j:plain

                                                                                       (写真③)山頂付近で見つけたキアゲハ蝶。

 その後はアカタテハ、キアゲハ、シジミチョウ類、ツマグロキチョウオナガアゲハ(ジャコウアゲハだったか?)、さらにはルリタテハまで・・・、木立の中でヒョウモンチョウの様な鮮やかな樺色の個体も見つけたのですが、優雅に崖を舞い降りていき種別の特定までは出来ませんでした。しばらくは茫然としたり余韻に浸ったり・・・、何にしても夢の様な世界を堪能出来ました。

 

で、獲物?を見つけるたびに独り斜面を走り回って、荒い息で喘ぎながらカメラに収めようとするのですが、お前はアル中か?(半分そうだが・・・)と自分でも驚くほどの手の震えをどうにも出来ず、マクロ撮影の難しさに打ちのめされていました。

 

しばらく膝に手をついて酸欠に喘ぎながら、「体力と・・・三脚あるいは代わりになるものがいりますね。」と今の状況を静かに分析しつつ、「ようし!」とも思いましたね。要検討課題が見つかると、逆に何か楽しくなってくる様な気もしてきました。

 

因みにキアゲハはよく似た種類のナミアゲハと併せて、いわゆるアゲハ蝶と言われていますが、私の田舎ではアゲハと言えば、一般には(よく見かけるという意味で)ナミアゲハの事を言います。*個人的にはキアゲハ蝶は個体数の少なさからちょっと高級で特別な蝶というイメージでした。童謡や唱歌に出てくるフナ(鮒)が、金ブナではなく銀ブナの事を指しているのと同じですね。(ホントかよ!)。ここ東海地方はどうなのでしょうか?

 

季節の野の花、新芽、新緑・・・、そこここに春を感じさせるものが溢れていて、写真こそ散々な結果でしたが(涙)、贅沢な時間を堪能しました。

f:id:shiriagosan:20200411212745j:plain

 

f:id:shiriagosan:20200411212105j:plain

 

f:id:shiriagosan:20200411212553j:plain

                  (写真④)新芽、新緑に春の花。

歩きながらカメラ(写真)の世界も追及していくと面白そうだなとか、ついでに野鳥についても少しずつ勉強して見るかなどと、あれこれ考えながら山を後にしました。

 

時間にして3時間程でしたが、麓の公園の喧騒をよそに、山の中では2人の同業者達?と会っただけでした。