紫陽花の色はアルミニウム含有量で決まる?

最近あちこちで変わり種の紫陽花を見かける様になりましたな。

かれこれ10年以上前になるか?5万株以上が咲き乱れる蒲郡市の片原温泉アジサイの里では、その栽培面積もさることながら品種の多さに驚いたものです。

調べて見たら紫陽花の品種は、令和の現在で3000種を超えるとも。

・・・恐れ入りました。

早い物は4月頃から見かけますが、やっぱり梅雨時期の花のイメージが強く、今年もぼちぼち見納めか?なんて思ってましたが、7月中頃まで咲いているのもあるようです。

でね奥さん、アジサイの原種は野生のガクアジサイで、日本が原産なんですな!

西洋アジサイなんてのがあるもんだから、てっきりヨーロッパ由来だと思ってましたな。

語感も何となく外来語風というのか? あちらさんの感じがしてましたが、かなり古い時代のあづさヰ(あづさい)が変化したそうで、

あづは小さい物が集まっている様子を、さいは藍色の花や真藍(さあい)を表しているそうで、藍色の小さな花が集まって咲いている様子を表現しているんですな。

う~む、色々分かって来ると更に愛着が湧いて来るような(笑)。

何所だったか?緑色の花も見ましたな。

昔からアジサイの花の色は土壌の成分で変わってくる等と言われますが、ちょっと気になって専門書を探していたら・・・

アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのか渡辺一夫 著  築地書館

② スイカのタネはなぜ散らばっているのか(稲垣栄洋 著 草思社) 

なんて興味を引くタイトルの本を見つけましたよ。

これらの本の共通点は植物の分布の拡大やら生き残りの為のすごい戦略が紹介されていて、今すぐ誰かに教えてあげたくなる様な蘊蓄が詰まった宝本ですな。

早速ですが奥さん! アジサイの葉には激しい嘔吐を引き起こす毒があるって知ってました?

今度嫁に食べさせてみるか? なんてイヒヒヒッ。

あっ、良い子は真似しちゃ駄目だからね(笑)。

この本によると・・・

何でも、植物は種類によって土中の特定の微量金属を取り込み蓄積するという性質がある様で、本来は植物の成長を阻害するアルミニウムに対して、紫陽花は根から吸収したアルミをクエン酸と結合させて錯体と言う形で毒性を弱め、液胞内に閉じ込めて拡散を防いでいるそうですな。

えっ、ここら辺ちょっと分かり難い?

いえね、私もそうなんですよ(笑)。大体錯体って何です?

で、肝心の花の色ですが、

土壌が酸性(PH5.5以下)なら青味が強くなる?という傾向も事実の様で、アジサイの青アントシアニンと言う色素にアルミが作用して生み出される色であり、

アルミは酸性の土壌で水に溶け易くなり、根から吸収され易くなる為だそうです。

ナルホド・・・そういう事だったのか!

ただ・・・

有害物質を体内?に貯蔵蓄積するのは植物にとってもマイナスなのではって?

これもね奥さん上手く出来ていてね、秋には葉を落とす(落葉)事で、一度取り込んだアルミを効率よく排出していると・・・

紫陽花が特に葉の部分にアルミを多く貯蔵しているのはそういう事らしいんですな。

う~む、こうして見ると・・・

物言わぬ植物のしたたか?な戦略には唯々驚嘆させられる事ばかりで、

何だか紫陽花についての見方も変わってくるような(笑)。

金属集積植物の研究から放射能汚染土壌の浄化への応用も期待されているそうですが、それはまた別の機会に。

 

 ユーカリは金の粒子を葉に溜め込むんやて。

   ・・・ホンマか?

 って、アンタ変な事考えとらんやろうな?