シデコブシの分布と幻の巨大湖との関係って?

ここ最近低山ハイクでお世話になってます渥美半島には天然記念物シデコブシの自生地として管理されている場所が幾つかあります。

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個人的には割と身近な存在のように思ってましたが、東海地方の一部の湿地帯のみに自生する日本固有種で絶滅が危惧される貴重な植物なんですな。

開花時期ががほぼ桜(ソメイヨシノ)と重なるので、開花の発表を聞くとこのシデコブシの方が気になるようになってます。

 

Wikipediaによると・・・

シデコブシモクレンモクレン属の落葉小高木で、

和名の由来は花の形がコブシに似ており、多数の花弁が細長く伸びている様がしめ縄や玉串に付ける紙垂(しで)の様に見える事に由来・・・

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はいはい、あの和紙のひらひらの事ですな!

以前はレッドリスト絶滅危惧Ⅱ類(VU)であったものが、地域住民の尽力などにより2007年の環境省の発表で絶滅危惧種(NT)にカテゴリー変更されましたが、近隣の岡崎市知多半島などの自生地では周辺地域の開発などにより近年絶滅が確認されたとも。

ここでちょっと気になる情報も!

現存する東海三県の自生地が、その昔この地域に存在したとされる東海湖沿岸に限定的に分布している様で、

ん?東海湖・・・って、奥さん知ってました?

地元の人なら幾らか分かる人もいるのか?

数百万年前に現在の伊勢湾北部から濃尾平野辺りに存在した?とされる巨大な淡水湖で、最大時は4~500万年前頃に琵琶湖の6倍もの面積を誇っていたようですな。

その後の地殻変動で徐々に衰退縮小、現在はその跡形もなくなってますが・・・

限局的に細々と点在している自生種が、この古代の巨大湖で一つに繋がっていたなんて・・・

その道の専門家が生きた化石(植物)と畏敬尊崇しているというのも分かる気がしますな。

因みに、上質な陶土で知られる多治見や瀬戸の土はこの東海湖の堆積物だそうですよ!

何とも時空を超えた悠久のロマンの様な物を感じますが、500万年前と言ってもピンときませんな。

因みに人類のご先祖様が日本に上陸したのが約3万年前・・・って時間の規模が違い過ぎて余計分からんがな(笑)。

渥美半島では、

伊川津地域の自生群落が1967年に県の天然記念物に指定された後、500m西の椛(なぐさ)の自生地はその規模と自生の南限として1970年に国の天然記念物に、更に5km程北東の滝頭公園傍の藤七原湿地植物群落が1991年、市の天然記念物にそれぞれ指定されています。

で、以前からちょっと気になっている事があって、

よく見ると花びらの色合いや形態等の個体差が結構大きい様な気がしていたのですが・・・純粋なシデコブシとは?

或いは幾つかの亜種(の様な物?)や形態、色味のパターンが存在していてそれら一群を纏めて呼んでいるのか?

これも調べていくと同じモクレン属の別種との交雑種も幾つか知られている様で、

いわゆるハイブリッドという奴ですな。

また園芸用の品種改良種が世界中に出回っている様でもあり・・・って??

あれっ?何だか却って分からなくなってきますな(笑)。

何にしてもこの貴重な植物が割と身近に存在していてまさに今が見頃の時期!となれば・・・ちょっと、奥さん!

のんきに仕事なんかしている場合ではないなこりゃ(笑)。

 

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     時期的に3月末で見納めですかな?